ターンフリックに新しい設定のTFBi(Turn Flick Basic input)を設けました。この設定を設けた背景と使い方について記しましたので、ご覧いただけますと幸いです。
開発の背景
アルテ日本語入力キーボードでは入力効率を最大限高める方向で開発してきました。
これまでのターンフリックで最も入力効率が高いTFEi(Turn Flick Extended input)に設定にすると、「じょう」などのように濁音が含まれる場合でも、1回のタッチ操作で入力することができます。そのため、たとえば「上場企業(じょうじょうきぎょう)」と入力する場合、普通のフリックでは16回ものタッチが必要なところ、4回のタッチで入力できます。
しかしTFEiを使うには、その前段階として、フリックの軌道を曲げて「き」を「ぎ」にする濁音の入力操作を覚える必要がありました。
そのため濁音入力の習得が十分でないと、「九州(きゅうしゅう)」など清音の場合は楽に入力できても、「商業(しょうぎょう)」など、濁音を含む場合に手間取ることになって、結局、濁音入力に慣れるまでの期間は、十分に活用することが難しいという側面がありました。
簡単・確実に入力効率を向上
そこで今回新設したターンフリックのTFBi(Turn Flick Basic input)では、濁点の入力操作を覚えなくても、「きょう」と入力してから濁点のキーにタッチして「ぎょう」と入力できるようにしました。
これにより、先に濁音の入力を習得する必要があった「作業(さぎょう)」等の語句の入力でも、「さきょう」と入力してから濁点を後打ちすることで入力可能になります。濁音につきタッチ回数が1回増えますが、濁音の入力で習得につまずく、といったケースはなくなりました。
TFBiの入力方法
◆「きゃ」の入力
① まず「き」の方向へスライドします。
②次に逆方向に(入力ガイドの「ゃ」に向けて)スライドします。
◆「きゅ・きゅう」の入力
① まず「き」の方向へスライドします。
② 入力ガイドの「ゅ」に向けてスライドすると「きゅ」になります。
③ ②から続けて入力ガイドの「う」に向けてスライドすると「きゅう」になります。
◆「きょ・きょう」の入力
① まず「き」の方向へスライドします。
② 入力ガイドの「ょ」に向けてスライドすると「きょ」になります。
③ ②から続けて入力ガイドの「う」に向けてスライドすると「きょう」になります。
◆「う」で終わる連母音の入力
オ段またはウ段にフリックし、入力ガイドの右側に表示される「う」の方向にターンして「こう」「くう」などを入力できます。
◆濁点の付け方
ターンフリックで「きょ・きょう・こう」などを入力して濁点キーにタッチすると「ぎょ・ぎょう・ごう」のように濁点が付きます。
* なお両手操作で、濁点キーを押しながら操作をしても濁点が付きます。
* またトリムフリックの設定を変更することで、トリムフリックでも濁点を付けることができます。詳しくは以下のトリムフリックの解説をご覧下さい。
トリムフリックの解説
トリムフリックとは、文字キー配列部に向かって、上部の予測変換の領域と、左右の機能キーの領域からフリックして、所定の文字を入力する方法です。
初期設定では下図のように、上部と左右からフリックして促音「っ」を入力する設定になっています。( ケータイ配列とアルテローマ字入力が対象)
濁点への設定変更(ケータイ配列対象)
設定変更により濁点「゛」を入力することもできます。
また設定変更により上部から濁点「゛」、左右からは促音「っ」を入力するように変更できます。
濁点の補い方
そして、TFBiに慣れてきたら、ぜひ濁音も含めて1回のタッチで入力できるTFEiを試していただければと考えます。
ただ、TFEiに移行しなくても、楽に濁点を入力する方法として上記のトリムフリックの設定を設けました。TFBiをご利用の場合、トリムフリックの設定を濁点入力に変えてお試しいただけますと幸いです。
また、アルテの初期設定では「自動かな修飾変換」の設定がオンになっています。この機能により、たとえば「こうしょうけんかく」と入力すると、変換候補には濁点を補って「工場見学」が現れます。この機能を有効活用すれば、濁点のキーにタッチすることも省くことができます。
* なお、濁点を付け忘れて、たとえば「十連休」と入力するつもりなのに「しゅうれんきゅう」と入力してしまった場合は、カーソルの位置を「しゅう|れんきゅう」のように「しゅう」の後ろに移動して濁点キーにタッチして「じゅうれんきゅう」に訂正することも可能です。
ぜひこうした方法も活用して、TFBiをご利用いただけますと幸いです。